DIE CASTING
サスティナブルなダイカスト

意外に身近な
ダイカスト

暮らしの中で、広く多彩な製品部品として貢献しているダイカスト製品。
ダイカストの適用範囲は広く、自動車・オートバイ、一般機械、電気・電子機器、通信機器、精密機械、建築金物、日用品、スポーツレジャー用品など数多の用途で使用されています。

知る人ぞ知る、コレクションカーとして知られる『ダイキャストカー』もその一つ。

溶かした金属を金型に入れダイキャスト(=ダイカスト)製法によって成形されたボディを塗装し、タイヤなどのパーツを取付けて完成させます。

主な材料は亜鉛合金。
世界的に定着しているミニカー縮尺は1/12、1/18、1/24、1/43、1/64などがあり、子どもが遊ぶおもちゃから、コレクター用のハイエンドモデルまで種類も豊富なので、クルマ好きでなくとも一度は手にした経験があるのではないでしょうか。

PRODUCTS

高い再現性 と
なめらか"いはだ"

『ダイキャストカー』のように精細な造りが求められる物の一部にダイカスト技術が用いられるのは、その高い再現性となめらかな鋳肌(いはだ)など、優れた特長を数多く持つためです。

他の鋳造法などに比べても、複雑な形状の設計が比較的容易で、成形品の寸法にバラつきが少なく、量産化にも向いているため、企画・設計時のイメージを再現しやすい製法といえます。

また、鋳造工程で30~70MPaの高い圧をかけるため、美麗で平滑、なめらかな鋳肌が得られます。
それにより、最小限の加工で製品を仕上げたり、めっきや塗装などの表面処理が容易にできるのも、金属加工法の中でも幅広く用いられている理由のひとつです。

特に、アルミニウム合金ダイカストは、軽量で耐食性に優れ、経年寸法変化が少ないことから、多くの産業分野で使用されています。

REASONS

サスティナブルな
ダイカスト

すでに多くの産業分野で注目され、浸透しているダイカストが、近年さらに注目を集めるきっかけとなったのが、SDGs・脱炭素社会への関心の高まりです。

自動車産業の分野では、電気自動車(EV)の車体の軽量化に向け、軽さと強度の両立が強みであるアルミダイカスト製品への期待が寄せられています。

TTコーポレーションでは、これらの流れを身近なものとしてとらえ、脱炭素社会への一助を担えるよう、新しい分野への設計開発に意欲的に取り組みます。

社内製造においては、長きに渡り 環境対策として、鋳放しの後、後加工(鋳仕上げ、仕上げ、機械加工、接合)などで取り除かれた余分な部分を再溶解し、リターン材として使用することで、余分なものを排出しないというサイクル構築に力を注いできました。

さらなる対策として、最新のダイカストマシンへ入れ替えることで生産性を向上させ、サイクルタイムを短縮するなどし、省エネ対策にも積極的に取り組んでいます。

FACILITY

REASONS
鋳物の中で、
ダイカストが選ばれる理由

溶けた合金から製品を造る方法はいろいろあります。
例えば、砂型鋳物、金型鋳物、低圧鋳物、シェル鋳物があり、それぞれの特性にあわせた用途に使われています。

ダイカストはこれらと比較して、次のような点で優れた特長を数多く持っており、
その価値が高く評価され、金属加工業界の中で重要な位置を占めています。

  • 01Mass production優れた量産性
    ダイカストは複雑な形状の製品を、一工程で量産することができます。ただし、アンダーカットのある製品は コストが非常に高くなりますので、一般的なアンダーカットの内容に設計します。
  • 02Accuracy寸法精度の高さ
    他の鋳物に比べて、ダイカストは非常に高い寸法精度が得られます。しかも表面が滑らかに仕上がるので、多くの分野で利用されいます。
  • 03Process表面処理が容易
    ダイカストのなめらかで優れた鋳肌は、めっきや塗装などの表面処理が容易です。
  • 04Design設計が容易
    精度が高く、鋳肌が美しく、強度があり、複雑な形状の製品を設計し製造することができます。また、設計の変更などにも対応できます。
  • 05Thinness and Strength薄い肉厚の実現と強度
    薄い肉厚で、複雑な形状の製品を作ることができます。これは軽量化に大きく役立ち、また、機械的な 強度は肉厚によりますが、薄肉でも強い製品が製造できます。そして、単位面積当たりでは薄くなるほど強度が高くなります。
  • 06Health健全性
    ダイカストは組織が緻密強度も高いのですが、キャビティ部の空気や離型剤の気化ガスなどを巻き込むことがあります。近年、これらを改良した技術も開発されたので、鋳巣の発生を少なくすることができます。
  • 07Reduction切削加工工程の短縮
    精密で複雑な形状の製品ができますので、他の鋳造法の製品に比べて、大幅に加工工数を減らしたり、加工を必要としない施製品を製造することができます。
  • 08Cost performanceコストパフォーマンスの高さ
    ダイカストの金型は製作費が高価です。しかし、1つの金型で数千~数万個の製品が作られるので、大量生産を行うことで大幅なコストダウンがはかれます。

PROCESS
製造工程

ダイカストは、原材料である合金、金型、ダイカストマシンの3つの要素からなっています。
溶けた合金(溶湯)を金型の中に高圧を加えて流し込む方法で、原材料から製品までの工程が一番短いといわれています。

ダイカストマシンには固定型、可動型という2つの金型が取付けられており、
圧入された溶湯がすばやく固まると、可動型が開いて製品が取出されます。

金型工程
ダイカスト製品の製造は、金型の設計から始まります。
設計者、金型技術者、鋳造技術者などが一体となって金型を検討した後、コンピューターでスピーディーに設計が行われます。
ダイカスト工程
最新鋭のダイカスト設備で、TTコーポレーションは様々な製品に対してフレキシブルに対応しています。